そして伝説へ② ~モーツァルトとシュタードラー~

1777年頃。
マンハイムを訪れたモーツァルトは当時宮廷音楽家の一員として働くシュタードラーのクラリネットを聴きました。



その時にモーツァルトはこの楽器へ憧憬を感じ、シュタードラーのクラリネットに惚れ込みました。

早速翌年の交響曲(ニ長調,K.297)にクラリネットを取り入れ、さらに当時まだ新しくあまり知られていなかったクラリネットの能力をより存分に発揮する作品を書こうと思い立ちます。

モーツァルトはシュタードラーへの手紙に
"あなたの演奏ほど、クラリネットが巧みに人の声に近づくことができるとは思ったことがありませんでした。あなたの音は柔らかく繊細で、心ある者は抗うことができません。"
と書き記しています。

モーツァルトが故郷ザルツブルクを去ってウィーンに定住した1781年頃、2人は友人として親しく付き合うようになりました。

2人の友情は終生変わることはなかったと言いますが、2人の関係は実に不思議なもので、

シュタードラーがモーツァルトのいつも開けてある金庫からたくさんのお金をくすねていたとか、

モーツァルトはシュタードラーに対して"ちっちゃなマヌケ野郎"とか"何かくわえたロバ"とか子供のようにあだ名をつけていたり。

ある時シュタードラーが
「ここは難しいから...」
というと
「君の楽器にはその音が出ないのかね」
とモーツァルトに言われたとか。

またシュタードラーは私生活上の問題が多かったようで、借金を抱えていたり、妻と別居して愛人と暮らしたり。。

そんなところがモーツァルトと気があったりもしたのかもしれませんが、、本当に仲が良かったのか、疑問ですね。笑



つづく、、


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